こんにちは、jyosuiです!

猫の飼い主さんはこの話題が身近なことだと思います。
秋になると、家の中の景色が少し変わります。黒い服にうっすら白い毛。掃除機をかけた翌日にはもう、床にふわふわしたものが転がっている。「またこの季節が来たな」という、あの感じです。
オレオにとっては、そもそも年中毛が抜けているのに、「換毛期」ともなると、空気中に結構毛が舞っている事があります。ふわふわ浮いている毛をキャッチする遊びができてしまうくらい。
この「換毛期(かんもうき)」、なんとなく「寒くなるから毛が生え変わるんだろう」と思っていました。ところが調べてみたら、毛の生え変わりを決めているのは、気温ではありませんでした。
先にお断りしておきます。私は獣医師ではありません。ここに書いたのは、資料を読んで飼い主にわかる言葉に置き直したものです。気になることがあれば、最後はかかりつけの先生に聞いてください。
まず、換毛期っていつ?
一般的には年に2回と言われています。
- 春(3〜5月ごろ):冬毛を脱いで、夏毛へ
- 秋(9〜11月ごろ):夏毛を脱いで、冬毛へ
抜ける量が多いのは春のほうだとされています。冬のあいだに蓄えた、みっしり詰まった下毛をごっそり手放すからです。秋は逆に「これから冬毛を足していく」ための入れ替えなので、春ほどの大移動にはなりにくい、と言われています。
……とはいえ、です。ここまで読んで「うちの子、年中抜けてる気がするけど」と思った方。私もそう思いました。その感覚には、ちゃんと理由があります。その話はあとで出てきます。
毛は「生えっぱなし」ではありません

換毛のしくみを知るには、まず1本の毛にも一生があることを知る必要がありました。これを毛周期(もうしゅうき)といいます。
- ① 成長期……毛根が活発に働いて、毛がぐんぐん伸びる時期
- ② 退行期……成長が止まり、毛根が縮んでいく時期
- ③ 休止期……伸びも縮みもせず、抜けもせず、ただそこに留まっている時期
- ④ 脱落……役目を終えて、抜け落ちる
つまり抜け毛は「毛が傷んだから」ではなく、「その毛の任期が終わったから」ということです。抜けたあとの毛穴では、次の毛が育ちはじめます。ここが分かってから、床の毛を見る目が少し変わりました。あれは、任期満了でお努めが終わった毛の跡なんですね。
全身いっせいには抜けない、という賢いしくみ
③の休止期は、まだ毛が抜けずに残っている状態です。抜けるのは、その次の④。もし全身の毛がいっせいに④を迎えたら、猫は一度まるはだかになってしまいます。そうならないのは、猫の毛が「モザイク型」と呼ばれる生え方をしているからだそうです。
この毛は成長期、すぐ隣の毛は休止期、そのまた隣はもう抜ける寸前——というふうに、隣り合う毛穴どうしでタイミングがずれている。広い面をいっぺんに張り替えるのではなく、タイルを1枚ずつ入れ替えていくような形です。だから毛は少しずつ交代し、いつ見ても猫は猫のままでいられます。

スイッチを押しているのは、気温ではなく「光」

ここが、私がいちばん「知らなかった」と思ったところです。
毛周期を切り替える合図になっているのは、気温ではなく日照時間——つまり1日のうちどれだけ明るいかだとされています。
猫は目から入る光の量の変化を感じ取ります。日が短くなってくると、メラトニンというホルモンの出かたが変わり、それが毛周期のスイッチを押す、という流れだそうです。
つまり猫は「寒くなったから冬毛にしよう」ではなく、「日が短くなってきた。そろそろ寒くなるぞ」と先読みして準備している、ということになります。
言われてみれば、理にかなっています。寒くなってから毛を生やし始めたのでは、間に合いませんから。秋の換毛は、まだ暑さが残っているうちに始まっている。9月の残暑のなかで抜け毛が増えるのは、そういうことだったんですね。
だから、家の中の猫は換毛期がぼやける

さっきの「うちの子、年中抜けてる気がする」の答え合わせです。
完全室内で暮らしている猫は、日が暮れても部屋の照明がついています。冷暖房で気温も一年じゅうそれなりに一定です。つまり「季節が変わった」という信号が、外の猫より弱い。
その結果、換毛期の山と谷がなだらかになり、一年を通してだらだらと抜け続けることがある、とされています。春と秋にドンと来るのではなく、毎月そこそこ抜ける。心当たりのある方、多いのではないでしょうか。
これ自体は異常ではありません。ただ「季節の抜け毛」という目印がなくなるぶん、「いつもより抜けているかどうか」に気づきにくくなるという面はあります。この記事の後半で、その見分け方に触れます。

完全室内飼育のオレオは年中毛が抜け替わるにゃ。でも、換毛期には少し多い気がするにゃ。冬はエリマキトカゲになるにゃ💦
ところで、抜けているのはどの毛でしょう

猫の毛は、ひとまとめに「毛」と呼んでいますが、実は役割の違う何種類かが重なっています。ざっくり2つに分けると、こうなります。
- オーバーコート(上毛・ガードヘア)……外側の、太くて張りのある毛。水や汚れをはじき、体を物理的に守る屋根のような役目
- アンダーコート(下毛・ダウンヘア)……内側の、細くやわらかい毛。空気をたっぷり含んで、体温を逃がさない。ダウンジャケットの中身と同じ発想
そして換毛期にごっそり抜けるのは、主にアンダーコートのほうです。だから抜け毛は、あのふわふわした綿のようなかたまりになる。硬い毛がバサッと落ちるのではなく、綿ぼこりのようなものが漂う理由がこれでした。
長毛の子が大変なのは、毛が長いからだけではない
長毛の猫の抜け毛が多いのは、単に「毛が長いから目立つ」という話だと思っていました。でも本当の理由は、アンダーコートの量が多いことにあるようです。
量が多くて、しかも長い。抜けた毛は下に落ちきらず、まだ生えている毛にからまって体の上に残ります。これが放っておくと、あとで出てくる「もつれ」になります。長毛の子のブラッシングが、単なる身だしなみではなく手入れである理由がここでした。
わが家では週2回、ブラッシングの曜日を決めてお手入れをしています。オレオはスコティッシュストレートのロングコートなので、毎日やることが推奨のようですが、時間が取れなかったり、おやつをご褒美として使用していることもあり、カロリーを摂る頻度等を考えると、これがフィットしています。これだけのスパンだと若干の「もつれ」が発生し、スリッカーブラシで解く際に引っかかりがよくあります。脇あたりは毎回のように引っかかる上、オレオもそこを解かれるのが嫌なようで、解かせようとしません。
ブラッシングをすると、毎回抜ける毛の量は「塩おにぎり1個分」作れちゃうくらいです。
【日常ブラッシングの救世主】mofuwaグルーミングスプレー。オレオのブラッシングをはじめたときからずっと愛用。スリッカーブラシに吹きかけても、直接本人に掛けても問題ないのでシャワー(※たくさん掛けるわけではありません)やシャンプー代わりに使用しています。香りも猫にストレスなく、嫌がらないので重宝しています。↓
【使っているスリッカーブラシ】うちのコはこれをずっと使っています(短毛用ですが)。これで慣れているのか、ほかのものを使用するとブラッシングさせてくれません。先が玉になっているスリッカーブラシと先が剣山のようになっているスリッカーブラシがありますが、その違いは別記事で出したいと思います。安全面を考えるとはじめは「先が玉になっている方」がいいです。剣山のようなスリッカーブラシのメリットも別記事を作成します。↓
【少し高級コーム】かわいい愛猫には少しお高い「コーム」を選んじゃいますね。安くても問題ないのですが、櫛通りが滑らかか、錆びたりしないか、丈夫であるかというところは見極める必要があります。
秋の換毛期に、気にしておきたい5つのこと
しくみが分かったところで、実際に何を見ておけばいいのか。5つに絞りました。
① もつれができる場所は、だいたい決まっている

毛玉(もつれ・マット)は、どこにでも均等にできるわけではありません。こすれる場所、動きの多い場所に集中します。
- 脇の下/内もも・後ろ足のつけ根……歩くたびにこすれる
- 耳のうしろ/あごの下・首まわり……自分でグルーミングしづらい
- おしりのまわり・しっぽのつけ根……年齢とともに手が届きにくくなる場所
- 首輪の下……つけている場合
もつれを放っておくと、かたまりが皮膚を引っぱって痛みが出ることがあります。下が蒸れて皮膚のトラブルにつながることも。見た目の問題というより、体に触れている異物に近いものだと考えたほうがよさそうです。
⚠️ もつれをハサミで切るのは、できれば避けてください。
もつれた毛は皮膚を巻き込んで引き上げていることがあり、毛と一緒に皮膚を切ってしまう事故が起きやすいと言われています。猫の皮膚は薄く、想像よりずっと近くにあります。ほどけない大きさになっていたら、動物病院やトリマーさんに相談するほうが安全です。
② 飲み込む毛の量が増えます

猫は自分で毛づくろいをします。あのざらざらした舌は、抜けかけた毛をすくい取るのにとてもよくできていて——すくった毛は、そのまま飲み込まれます。
ということは、抜け毛が増える換毛期は、おなかに入る毛の量も増えるということです。多くはうんちと一緒に出ていきますが、胃の中でまとまって毛玉(ヘアボール)になり、吐いて出すこともあります。
猫が毛玉を吐くこと自体は、めずらしいことではありません。ただ「猫は吐くもの」で全部を片づけてしまうと、見落とすものがあります。次のような様子があれば、換毛期だからと流さずに相談してみてください。
- 何度も吐こうとしているのに、何も出てこない
- 吐く回数が、明らかにいつもより多い
- ごはんを食べる量が落ちてきた
- 便が出ていない、または便が硬く小さい
- 元気がない、じっとしている時間が増えた
どれも「これがあれば病気」という話ではありません。いつものその子と違うかどうかが手がかりになります。
③ ブラッシングは、皮膚を見る時間でもある

ブラッシングというと「抜け毛を取る作業」だと思いがちですが、もうひとつ大きな役目があります。飼い主の手が、全身に触れることです。
猫は毛で覆われているので、皮膚の変化は見ているだけでは分かりません。ブラシを入れながら、こんなものに気づけます。
- 小さなしこりやふくらみ
- かさぶた、赤み、じゅくじゅくした部分
- フケが増えていないか
- 触ると嫌がる場所ができていないか
頻度の目安としては、長毛の子は毎日、短毛の子は週に2〜3回ほどがよいとされています(これについては、専門家の考え方の違いや猫種にもよります)。とはいえ、猫のほうに気分があります。できない日があっても、それで何かが決定的に悪くなるわけではありません。嫌がる日は無理をせず、5分でも、背中だけでも。続くやり方のほうが結局は強いと思います。
うちのブラッシングの決めごとについては、こちらに書いています。
④ 大事なのは「量」ではなく「抜け方」

この記事でいちばんお伝えしたいのが、ここです。
換毛期は「抜け毛が多くて当たり前」の季節です。だからこそ、そうではない抜け方が紛れ込んでも気づきにくい。見るところを決めて、並べてみます。
| 見るところ | 換毛期らしい | 気にしたい |
|---|---|---|
| 抜ける場所 | 全身からまんべんなく | 同じ場所だけ集中して |
| 地肌 | 見えない | 見えるところがある |
| 左右のバランス | とくに差はない | 左右対称に薄い |
| かゆみ・舐め | 気にしていない | かゆがる・舐め続ける |
| 皮膚のようす | 変わりない | フケ・かさぶたがある |
| 元気と食欲 | いつもどおり | 落ちている |
右の列がひとつでもあれば病気、という話ではありません。左の列にきれいに収まるかどうかを見て、はみ出すものがあれば覚えておく。それくらいの使い方で十分だと思います。
ひとつだけ補っておくと、「左右対称に薄い」がいちばん見落としやすい項目です。両脇腹、両方の内ももなど、左右の同じ場所が同じように薄くなるのは、こすれや汚れのような外からの理由では起きにくい形だとされています。見つけかたとしては、片側で気になる場所を見つけたら、反対側の同じところも触ってみること。ブラッシングのついでにできます。左右そろって薄いなら、覚えておく価値があります。
とくに「同じところを舐め続けて、そこだけ毛がなくなる」という形は、皮膚のトラブルだけでなく、その下に痛みがある場合や、気持ちの負担が出ている場合もあるとされています。毛が抜けているというより、猫が自分で抜いている状態ですね。
では、どうすればいいのか。
気になる項目があったとき、飼い主にできるのは判断することではなく、気づいて、伝えることだと思っています。薄いところを写真に撮っておいて、動物病院で見てもらう。それが換毛期の範囲なのかどうかを決めるのは、獣医師の仕事です。
写真をすすめるのは、記録として残るからです。毛の状態は日によって変わりますし、気になった日とすぐに受診できる日が、そろうとはかぎりません。「気になった、そのときの状態」を残せるのは写真だけです。
同じ場所を何日かおきに撮っておくと、なお役に立ちます。広がっているのか、変わっていないのか。これは記憶では比べられません。
舐めている場面は、動画も残しておくといいと思います。家ではずっと舐めているのに、病院では落ち着いていてやらない、ということがあります。そのときの様子は、その場にいた人しか知りません。
そして診てもらって何もなければ、それは空振りではありません。「毛の生え変わりだった」と確かめられた、ということです。

飼い主さんは毛が落ちているだけでも愛猫の体調を気にしなきゃいけないにゃ。いつもありがとうにゃ〜。
⑤ 部屋設備のほうも換毛期の影響を受ける

猫の話ばかりしてきましたが、換毛期は部屋の空気にも毛が舞う季節です。
- エアコンや空気清浄機のフィルターが、思っているより早く詰まります。効きが落ちたと感じたら、まずここ
- 掃除は上から下へ。先に床を掃除しても、家具の上の毛が落ちてきます
- 抜け毛は乾いた状態のほうが取りやすい。湿らせると布に貼りつきます
オレオを飼いはじめてすぐに「ロボット掃除機」を設置しました。理由は常に「抜け毛」が床に落ちている為。毎日15分掃除するよりも単価的にはやすいと判断して導入したのですが、活躍してくれています。
【コンパクトロボット掃除機】うちで使用している「ロボット掃除機」の最新モデルです。スマホで設定やトラブル通知可能。コンパクトだけどマッピングもして、全室を把握。スマートに掃除を進めてくれる。これ1台で床の掃除は片付きます↓
よくある疑問
Q. 換毛期は、どのくらい続きますか?
数週間から1か月半ほど、と言われることが多いようです。ただし個体差が大きく、室内で暮らしている子は、はっきりした始まりと終わりが出ないこともあります。「いつ終わるか」より「いつもと比べてどうか」を見るほうが、実用的かもしれません。
Q. 短毛だから、換毛期はないですよね?
あります。換毛期の抜け毛はアンダーコートが主役なので、毛の長さより下毛がどれだけあるかで決まります。短毛でも下毛が豊かな子はしっかり抜けますし、長毛でも下毛が少ないタイプはそれほどでもない、ということが起こります。
Q. 換毛期はシャンプーしたほうがいいですか?
必須ではありません。猫は自分で毛づくろいができる動物で、多くの子はシャンプーなしで一生を過ごします。もしするなら、もつれをほどいてからにしてください。もつれたまま濡らすと、かたまりが締まってさらにほどけなくなります。
Q. いっそ短くカットしてしまうのは?
カットしても、抜ける毛の本数は減りません。毛が生え替わるしくみは、長さでは変わらないからです。減るのは、目につくかさ・もつれ・猫が飲み込む毛の量のほうです。
ただ、被毛は体温を調節し、皮膚を守っています。寒さがこたえたり、日差しが直接当たったりします。生えそろうまでに半年から1年、毛質が戻らないこともあるとされます。やるなら獣医師さんに相談してから。もつれがひどくて手がつけられない場合に、治療としてカットすることもあるそうです。
Q. 抜け毛が多いのは、健康じゃないから?
量そのものは、目安になりにくいとされています。換毛期はもともと抜ける季節だからです。
見るのは④の「抜け方」のほう。同じ場所だけ薄い、左右対称に薄い、地肌が見える——そういう形がなければ、たくさん抜けること自体は、毛が入れ替わっている過程です。
おわりに

調べてみて、いちばん残ったのは「光がスイッチだった」ということでした。
まだ暑い9月のうちに、猫の体はもう冬の支度を始めている。窓から入る光が短くなったことに気づいて、静かに毛を入れ替えている。床に落ちているあの毛は、そのお知らせだったわけです。そう思うと、掃除機をかける気持ちも少し変わってきます。

猫にとって「被毛」は、体温調節において最重要な体の部分です。気温が変わってから生え変わるのだと、確かに体調管理が遅くなってしまう事が改めてわかりました。地球上の動植物は「太陽」なしには生きられないんですね。
※ 本記事は、日常の観察をお手伝いするための一般的な情報です。診断を目的とするものではありません。気になる変化があるときは、自己判断せず動物病院にご相談ください。
※ 本記事の図解はAIで作成しています。





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