こんにちは、jyosuiです!

猫と目が合ったとき、ゆっくりと目を細めて、そのまま閉じていくことがあります。眠そうなのかな、と思っていました。
でもあれは、合図らしいのです。しかも、こちらから返すこともできる合図でした。
この記事でお話しするのは、次のことです。
- 猫にとって「じっと見つめる」は威嚇だということ
- ゆっくりまばたきが「敵意はないよ」の合図だと考えられていること
- 人がやってみせても通じるらしいという話
- やり方と、うまくいかないときのこと
- ⚠️ 目を細めている=痛みのこともある、という見分け
お伝えしておくと、わたしは獣医師でも研究者でもありません。飼い主として調べてわかったことと、わからなかったことを、そのまま並べています。

見つめられると照れるにゃ。好きな相手ならむしろ「アイコンタクト」にゃ。
猫にとって、じっと見つめるのは威嚇です

まず、ここが出発点になります。
猫どうしの世界では、相手の目をまっすぐ見続けるのは「にらんでいる」ことになります。ケンカの前に、じっと見合っているのを見たことがある方もいると思います。
逆に、目をそらす・細めるのは「争う気はない」という意思表示です。
ここで、猫好きがよく経験するあの現象の説明がつきます。猫好きほど猫に避けられるという、あれです。
かわいいと思うと、つい見つめてしまう。まっすぐ近づいて、目を合わせて、手を伸ばす。猫からすると、これは全部「圧」なんですね。猫に興味のない人のほうが好かれるのは、たぶんそういうことです。
ゆっくりまばたきは「敵意はないよ」の合図

そのうえで、ゆっくりまばたきです。
目を細めて、ゆっくり閉じて、また開く。これは「あなたを警戒していません」という合図だと考えられています。目を閉じるというのは、相手の前で無防備になるということですから、意味としても筋が通ります。
面白いのはここからで、人間がやってみせても猫に通じるらしいという報告があります。人がゆっくりまばたきをしてみせると、猫のほうも返してきたり、近づいてきたりしやすくなる、という内容です。
初対面の猫でも起きるという話なので、保護猫カフェや譲渡会でも使えると思います。
実際に、保護猫カフェでこれをやると、まばたき返してくれたり、譲渡会の、特に成猫にもまばたき返す仕草をしてくれました。さらに、地域猫にもやったことがありますが、まばたき返してそっぽ向く仕草をしてくれました。敵意がないことの表現なのかもしれません。
ただし、なぜ通じるのかまではわかっていません。猫が意味を理解しているのか、「見つめてこない相手」だから安心しているだけなのか。そこは、まだ決着していないところです。

通じる理由がわかっていなくても、やってみる分には損がないのがいいところです
やり方(そんなに難しくありません)

- 正面から向き合わない — 体を少し斜めに。真正面は、それだけで圧になります
- 目を細める — 見開かない。やわらかい目をつくります
- ゆっくり閉じて、ゆっくり開く — ぱちぱちさせない。1秒くらいかけるつもりで
- そのあと、視線を外す — ここまでで一区切り
- 返ってこなくても、追わない — 何度もやると、結局「見つめている」のと同じになります
返してくれたら、そこで満足して引くのがいいと思います。もっと、と求めた時点で、また圧に戻ってしまうので。
うまくいかないときも、ふつうにあります。相手が緊張しているとき、食事中、遊びに集中しているとき。合図が効かないのではなく、いまはその場面ではないということです。
「敵意はないよ」は、まばたき以外にもあります

まばたきだけが合図ではありません。猫は、いくつかの方法で「争う気はない」を示します。知っておくと、猫が出しているサインに気づきやすくなります。
- 顔をそむける — 無視されているように見えますが、逆です。「見ていませんよ」の意思表示
- あくびをする — 眠いとは限りません。緊張をゆるめる場面で出ることがあります
- 急に毛づくろいを始める — 気まずい空気のときに出やすい行動。人が髪をさわるのに近いと言われます
- 横を向いて座る — 正面を向かない姿勢そのものが、やわらかい合図です
逆に言うと、こちらが正面から近づいて、目を合わせて、手を伸ばすのは、猫のやり方とは真逆になります。人間からすると友好的なつもりでも、猫では読み取り方が違うわけです。
返してくれたときは、何が起きているのか
こちらのまばたきに、猫が同じように返してくることがあります。あれが何を意味しているのかは、実は確かめられていません。
考え方はいくつかあります。
- 合図として理解して、返している — いちばん夢のある解釈
- 相手が見つめてこないので、緊張がゆるんだだけ — 結果として目が細くなる
- 人との暮らしのなかで、そう返すと良いことがあると学んだ
どれなのかはわかりません。ただ、どの解釈でも「その猫がいまリラックスしている」ことに変わりはないので、受け取り方としては同じでいいのだと思います。
⚠️ 目を細めている=痛みのこともあります

ここは分けて覚えておいてください。目を細める動作は、痛いときにも出ます。
しかも、目そのものが痛いときだけではありません。調べていて、ここがいちばん意外でした。
まず、目のトラブルかどうか

分かりやすいのは、こちらです。見分けるところは、だいたいこのあたりになります。
| ゆっくりまばたき | 気にかけたい細め方 |
|---|---|
| 両目そろっている | 片目だけ細めている |
| リラックスした場面 | 場面に関係なくずっと細めている |
| 閉じたあと、ふつうに開く | しょぼしょぼする・開けにくそう |
| 目のまわりはきれい | 涙・目やに・充血がある |
| ほかはいつもどおり | 前足で目をこすっている・暗い場所へ行きたがる |
とくに片目だけというのは、わかりやすいサインです。合図ではありません。目の不調は進みが早いことがあるので、迷ったら早めに診てもらってください。
目がきれいなのに、細めているとき

やっかいなのは、こちらです。両目そろっていて、目のまわりもきれいなのに、場面に関係なく細めている。上の表でいうと、左の「ゆっくりまばたき」の側に3つも当てはまってしまいます。
ですが、猫は体のどこが痛くても目を細めることがあります。口の中でも、おなかでも、関節でも。目は関係ありません。
動物病院で使われている「Feline Grimace Scale(猫のしかめ面スケール)」という、痛みの評価法があります。2019年に発表されたもので、痛みのある猫35頭と、そうでない猫20頭の顔を比べて作られました。見るのは、顔の5か所です。

- 耳の位置 — 横に倒れる、左右に離れていく
- 目の細まり — ここです
- 口もとの緊張 — 丸みがなくなって、楕円に近づく
- ヒゲの向き — 前に張り出す、まっすぐになる
- 頭の位置 — 肩より下がる
飼い主にできるのは、診断ではなく「目だけを見ない」ことだと思います。細めているな、と思ったら、耳・口もと・ヒゲ・頭の高さも一緒に見る。いくつか重なっていたら、それは合図ではないほうを疑います。
⚠️ これは、飼い主が点数をつけて診断するためのものではありません。気づくための手がかりとして書いています。気になったときは、顔の写真を撮って動物病院で見せるのがいちばん早いと思います。猫は診察台の上だと、いつもと違う顔をするので。
ちなみに、これとまったく同じことがゴロゴロにも言えます。ゴロゴロも、うれしいときだけでなく不安なときや痛いときにも鳴らします。あちらでも結局、音だけでなく「一緒に起きていること」を見るという話になりました。合図に見えるものほど、ひとつだけ取り出して読まないほうがいいのだと思います。
参考:Evangelista MC, Steagall PV ほか「Facial expressions of pain in cats: the development and validation of a Feline Grimace Scale」Scientific Reports 9:19128(2019)/Feline Grimace Scale 公式サイト
うちの場合

うちの場合、見つめて瞬きをゆっくりすると、大抵返してくれます。「苦しゅうない」と言っているよう。まるで殿様。たまにちょっかい出した後に、瞬きしても、ガン見されています。
稀にオレオから目を細めることがあります。「お、どうした〜✨️」と喜んでいると、大抵はそのまま寝てしまいます。「眠かったんかい!」と突っ込んでしまいますね。
見つめ続けたことがありますが、オレオの方からゆっくり違う部屋へ行ってしまいます。これこそ「喧嘩するつもりないし」と言ってるということなんでしょうね。

そっちが先にまばたきしたら、考えてやってもいいにゃ
まとめ

- 猫にとってじっと見つめるのは威嚇。猫好きほど避けられるのは、たぶんこれ
- ゆっくりまばたきは「敵意はないよ」の合図らしい
- 人からやってみせても通じるという報告がある。ただし理由まではわかっていない
- やったら視線を外して引く。追いかけると圧に戻る
- ⚠️ 片目だけ・涙・目やには合図ではなく、目の不調のサイン
- ⚠️ 目がきれいなのに細めているときは、体のどこかが痛いこともある。目だけでなく、耳・口もと・ヒゲ・頭の高さも一緒に見る
猫と会話する方法は、たぶんこれがいちばん手軽です。道具もいらないし、失敗しても嫌われません。今日、目が合ったときに一度やってみてください。

気が向いたら返してやるにゃ。猫は気まぐれな動物なのにゃ。
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