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高齢猫の夜鳴き・認知症 — 不安な夜に、そっと寄り添う方法

ネコの介護

こんにちは、jyosuiです!

今回は、シニア猫の「夜鳴き」について、お悩みを少しでも軽くできるような記事を作りました。
オレオは、夜中に「かまってほしい」と走り回り鳴くことはありますが、まだ若いので本当に要求を満たしてもらおうと暴れているんですが…。

あと7年もすると本当の意味での「夜鳴き」が出てくるかもしれません。一緒に勉強していきたいとおもいます。

さて、夜中急に大きな声で鳴く。同じ場所をぐるぐる歩く。さっきごはんを食べたのに、また欲しがる。——高齢の猫に見られるこうした変化は、認知機能の衰え(認知症)のサインの可能性があります。

夜鳴きが続くと、飼い主さんも眠れず、心も体も削られていきます。「どうしてあげたらいいのか分からない」「自分の心の余裕がなくなっていくのが怖い」——そんなふうに感じている方も、きっと少なくないはずです。

この記事では、その子の不安な気持ちと、夜にそっと寄り添うための工夫を、やさしく整理します。あわせて、「夜鳴き=認知症」と決めつける前に確かめてほしいことと、飼い主さん自身の眠りを守る方法もお伝えします。

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管理者のプロフィール
[この記事を書いた人]
jyosui

2023年10月末にペットショップで仔猫との運命的な出会いをきっかけにどっぷり猫沼に浸かってしまったアラフィフのサラリーマンおじさん。猫のことをもっとよく知りたいと、譲渡会・猫イベント・地域猫セミナーなどに積極的に参加。ねこ検定初級を受検するなど知識向上にも取り組み中。「世界中の猫を幸せにしたい!」を夢に、保護猫カフェ経営を目指して日々猫活中。

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夜鳴きの裏にある「その子の不安」

高齢の猫が夜に鳴くのは、わがままでも、嫌がらせでもありません。目や耳が遠くなり、自分がどこにいるのか分からず、心細くて鳴いている——そんな不安の表れであることが多いのです。

暗い部屋で、ひとりぼっちのように感じて、「ねえ、どこ?」と呼んでいるのかもしれません。そう思うと、あの鳴き声も、少しだけ違って聞こえてこないでしょうか。

だから、夜鳴きへの向き合い方の出発点は「やめさせる」ではなく、「不安の理由を、ひとつずつ減らしていく」ことになります。

オレオくん
オレオくん

オレオが夜鳴きをしたときは、jyosuiはどんな対応をしてくれるのかにゃ。この記事は参考になるにゃ〜。

まず確かめて — 「夜鳴き=認知症」とはかぎりません

いちばん最初にお伝えしたいのは、これです。夜に鳴く高齢猫のすべてが、認知症なわけではありません。

むしろ、シニア期に多い別の病気や不調が、夜鳴きという形で表に出ていることがよくあります。そしてその多くは、治療や工夫で和らげられるものです。認知症だと思い込んで我慢を続けた結果、治せたはずの不調を見逃してしまう——これがいちばん避けたいことです。

jyosui
jyosui

夜鳴きも含めてどんなサインも見逃さないように、毎日変化を観察する必要があるね。

夜鳴きの裏に隠れやすいもの

  • 甲状腺機能亢進症 — シニア猫に多い病気。落ち着きがなくなる・よく鳴く・食べているのに痩せる、といった変化が出ます
  • 高血圧 — 甲状腺や腎臓の病気に伴って起こることがあり、そわそわ・鳴くといった行動につながります
  • 慢性腎臓病 — のどの渇きや気持ち悪さで、夜中に落ち着けなくなることがあります
  • 関節の痛み — 横になっていてもつらく、体勢を変えるたびに声が出ることがあります
  • 目や耳の衰え — 見えない・聞こえないことで、暗い部屋がとても不安な場所になります
  • 空腹・トイレの不快 — 夕食が早すぎる、トイレが汚れている、といった単純な理由のことも

じつは、獣医療では猫の認知症を一発で判定できる検査は、まだ確立されていないとのこと。血液検査や画像検査でこうした病気を一つずつ確かめて、「他の原因が見あたらない」と分かってはじめて認知症を考える——という順番になります。

だからこそ、動物病院に行くこと自体が、いちばんの近道なんです。「歳のせいだから」と諦めてしまう前に、一度診てもらってください。

猫の認知症(認知機能不全症候群)とは

正式には認知機能不全症候群(CDS)と呼ばれます。脳の老化によって、記憶・見当識(自分がどこにいて、いま何時かという感覚)・学習したことなどが、少しずつ揺らいでいく状態です。

決してめずらしいものではありません。報告によって幅はありますが、11〜14歳で3割ほど、15歳以上では半数近くに、なんらかの認知機能の低下が見られるとされています。長生きしてくれた子ほど、出会う可能性が高い変化ということです。

つまり夜鳴きは、その子が長く生きてくれた証でもあります。つらい現象であることは変わりませんが、そう捉えると、少しだけ受け止め方が変わるかもしれません。

jyosui
jyosui

最期まで愛猫に寄り添ってお世話するということが一緒にいてくれて「ありがとう」を伝える方法かもしれないね。

認知症かな?と思うサイン

「鳴く」以外にも、いくつかの方向から変化が出ます。ジャンルごとに見ておくと、気づきやすくなります。

① 迷う・分からなくなる(見当識)

  • 同じところをぐるぐる歩く・うろうろする
  • 狭いところに入り込んで、後ずさりができず出られなくなる
  • ドアの蝶番(ちょうつがい)側で出してほしそうにしている
  • 慣れた家の中なのに、迷っているように見える

② 関わり方が変わる(人との距離)

  • 呼んでも反応が薄い・ぼーっとしている時間が増える
  • 逆に、やたらと後をついてくる・そばを離れたがらない
  • なでられるのが好きだったのに、急に嫌がる(またはその逆)

③ 昼と夜が入れかわる(睡眠リズム)

  • 夜中に大きな声で鳴く(夜鳴き)
  • 日中はほとんど寝ていて、夜になると動き出す
  • 深夜に決まった時間帯だけ、そわそわと落ち着かない

④ 覚えていたことがぼやける(学習・記憶)

  • ごはんを食べたのを忘れて、また欲しがる
  • トイレの場所が分からなくなる・失敗が増える
  • 毛づくろいをしなくなり、毛並みが乱れてくる

トイレの失敗については、シニア猫のトイレの失敗 — 叱らない向き合い方でくわしくまとめています。

オレオくん
オレオくん

これだけ行動が分けられると気が付きやすいにゃ。オレオは日中寝てて夜動き出すけど、これが習慣にゃ。

動物病院で、うまく伝えるコツ

夜鳴きは、診察室で再現されるというものではありません。だからこそ、飼い主さんの持っていく情報が診断を大きく助けます。

  • スマホで動画を撮っておく — 鳴いている様子・歩き方を数十秒でも。言葉で説明するより何倍も伝わります
  • 「いつから」「何時ごろ」「何分くらい」 — メモ一行で十分です
  • 体重の変化 — 甲状腺の病気などを見分ける手がかりになります
  • 水を飲む量・おしっこの量 — 腎臓の状態を知る大事な情報です
  • 鳴くとき、何かきっかけがあるか — 電気を消したあと、家族が寝室に入ったあと、など

とはいえ、いちばん見たい時間帯に、こちらは眠っています。夜中の様子を自分の目で確かめるのは、現実的にむずかしいですよね。

【見守りカメラ】寝ているあいだの様子を、あとから確認できます。
SDカード・クラウドストレージサービス(サブスク月額400円程度)が必要

夜鳴きの記録に使うなら、見ておきたいのは暗いところが映るかどうかです。こちらは赤外線の暗視に対応しているので、電気を消したあとの様子も残せます。録画しておけば、朝になってから「何時ごろ、どんなふうに鳴いていたか」を落ち着いて見返せます。

そのまま動物病院で見せられるのが、いちばんの利点だと思っています。診察室では夜鳴きは再現されません。30秒の動画が、言葉を尽くすより正確に伝えてくれます。

ちなみに、双方向で話しかけられる機能もついていますが、夜鳴きの子に声だけ届けるのは、かえって混乱させてしまうことがあります。使うなら、まずは「見るだけ」からがいいかなと思います。↓

jyosui
jyosui

説明に映像が使えるのはとても助かります。様子が把握できれば、獣医師さんも判断材料の一つにできるので、ぜひ設置をおすすめします。

不安な夜に、そっと寄り添う工夫

ほのかな明かりを灯す

豆電球や、足元を照らす小さなライトを。目が見えづらくなった子にとって、真っ暗な部屋は「何も手がかりのない場所」です。ぼんやりとした光があるだけで、自分の居場所が分かり、不安がやわらぐことがあります。

寝床を、飼い主さんの近くに置く

気配があるだけで安心する子はとても多いです。同じ部屋、できればベッドのそばに寝床を移してみてください。「呼ばなくても、そこにいる」と分かることが、鳴く回数を減らしてくれることがあります。

あわせて、寝床をあたためるのも効きます。シニア猫は体温調節が苦手になり、寒さで目が覚めやすくなるからです。すきま風のない場所に、ふかふかの寝床を用意してあげてください。

【ナイトライト】夜どおし煌々と、にならない明かりを

ここで気をつけたいのが、明るすぎないことです。煌々と照らしてしまうと、今度は昼と夜の区別がつきにくくなります。夜鳴きの子にとって、昼夜のリズムは守りたいものなので。

こちらは明るさを調節でき、人感センサーで通ったときだけ点くタイプです。つけっぱなしにならないので、「必要なときだけ、ほんのり」という、この記事で書いた形にちょうど合います。USB充電式なので、コンセントの位置に縛られないのも助かるところです。

猫の形をしていて、ちょっとかわいいです。夜中に起きたとき、その灯りが目に入るのは、飼い主さんにとってもわるくないと思います。↓

そのうえで、正直なところを書きます。サプリを足すより、まず毎日のごはんを見直すほうが現実的です。口にする量がまるで違いますし、総合栄養食なら栄養のバランスもとれています。

【ペットヒーター】寝床をあたためて、寒さで目が覚めるのを減らす↓

シニア猫の寝床をあたためるときに、いちばん気になるのが「熱くなりすぎないか」だと思います。自分で移動しにくくなった子は、暑くても離れられないことがあるからです。

こちらは30℃〜60℃で温度を調節できます。猫の平熱は人より高め(38℃前後)なので、いちばん低い設定から試して、その子が乗ったまま眠れる温度を探すのがおすすめです。タイマー(1〜12時間)もついているので、明け方だけ入るようにしておく、といった使い方もできます。

置くときは、寝床の全面ではなく半分だけに。暑いと感じたときに、その子が自分で涼しいほうへ移れます。逃げ場をつくっておくことが、いちばんの安全対策です。↓

家具の配置を、むやみに変えない

これは見落とされがちですが、とても大切です。目が見えづらく、記憶もあいまいになった子は、体で覚えた家の地図を頼りに歩いています。 模様替えは、その地図を一晩で書き換えてしまうことになります。

ごはん・水・トイレ・寝床の位置は、できるだけ動かさないであげてください。

日中に、光と刺激を届ける

昼夜が逆転している子には、昼の側を立て直すアプローチが有効です。

  • 日当たりのいい場所に寝床を移して、日向ぼっこできるようにする
  • 短くていいので、起きている時間に声をかけたり、そっと遊びに誘う
  • ごはん・遊び・就寝の時間を、できるだけ毎日同じにする

激しい運動は必要ありません。「昼に少しだけ起きている時間をつくる」——それだけで、夜の眠りが変わることがあります。

寝る前に、ひと口ぶんの安心を

夕食から朝までの時間が長すぎると、空腹で目が覚めて鳴くことがあります。1日の量を変えずに、寝る直前に少しだけ残しておく——それだけで静かになる子もいます。

また、トイレが汚れていると落ち着けません。寝る前にひと掃除しておくのも、地味ですが効果的です。

鳴いたら、やさしく声をかけてあげる

「ここにいるよ」と伝えてあげてください。そばに行って、そっとなでる。それだけで落ち着いて、また眠りにつく子もいます。

すべてを一度に解決しようとしなくて大丈夫。「不安を、ほんの少しやわらげる」くらいの気持ちで、できることから試してみてください。

オレオくん
オレオくん

オレオを思っていろいろな工夫をしてくれるのは、飼い主さんの愛を感じるにゃ。一緒にいられてよかったなーと心から思うにゃ。

やらないほうがいいこと

  • 叱る・大きな声を出す — 理由が分からないまま怒られることになり、不安がさらに強まります
  • 別室に閉じ込める — 孤立は夜鳴きのいちばんの引き金です。声が届く距離のほうが落ち着きます
  • 「歳のせい」で片づけて受診しない — 治せる病気を見逃す、いちばんもったいないパターンです
  • 人間用の薬やサプリを自己判断で与える — 猫には代謝できない成分があり、危険です

飼い主さん自身の眠りも、守ってください

ここからは、猫のためではなくあなたのための話です。

夜鳴きの対応は、本当に大変です。寝不足が続けば、やさしくできない自分に落ち込むこともあるでしょう。でも、それはあなたが弱いからではなく、それだけ一生けんめい向き合っている証拠です。

介護は、短距離走ではありません。倒れずに続けられる形にすることが、その子のためでもあります。

  • 家族で夜を交代する — 「今日は自分、明日はあなた」と決めるだけで、週の半分は眠れます
  • 耳栓やホワイトノイズを使う — 罪悪感を持たないでください。安全が確保できているなら、休んでいいのです
  • 昼寝でとり戻す — まとまった睡眠が無理なら、細切れでも構いません
  • ペットシッターや動物病院の預かりを使う — 数日でも眠れると、心の余裕が戻ってきます
  • つらさを口に出す — 動物病院のスタッフさんは、同じ悩みを何度も聞いています

意外と大事な「どこで寝るか」問題

夜鳴きに付き添っていると、いつのまにかその子のそばで寝るようになる——という飼い主さんは、とても多いです。

寝室に来られない子であれば、リビングの床に毛布を敷いて。ソファで、うとうとしたまま朝を迎えて。——気持ちはよく分かります。そばにいてあげたいですよね。

ただ、これが何ヶ月も続くと、腰や首に無理がたまっていきます。とくにソファでの仮眠は、体が曲がったまま固まってしまい、翌日の疲れが抜けにくいようです。介護がつらくなってきた原因が、猫ではなく自分の体のほうだった——というのは、わりとよくある話だと思います。

おすすめしたいのは、その子のそばに、ちゃんと持っていける寝具をひとつ用意しておくことです。「今夜だけ床で我慢」を繰り返さずに済みます。

付き添い用の寝具、選ぶときのポイント

  • 厚みは8cm以上 — 薄いマットだと、フローリングの硬さが背中に伝わってきます。腰への負担軽減のため、ここは大事にしたいところです
  • 高反発タイプを — 沈み込みすぎる低反発は、寝返りがしにくく腰に負担がかかります。付き添いの仮眠こそ高反発が向いています
  • 三つ折りで畳めること — 昼間は畳んで部屋の隅へ。出しっぱなしにならないので、続けやすくなります
  • 軽さ — その子の居場所が変わったとき、片手で運べるかどうか。重いマットは、結局使わなくなります
  • カバーが洗えること — 猫が乗ってきます。毛も付きますし、粗相が乗ることもあります。丸洗いできるかは、地味ですがいちばん効いてきます

ちなみに、その子が上に乗ってきたら大成功です。飼い主さんの体も守れて、その子も安心できる場所ができる。付き添いの夜が、少しだけやさしい時間に変わります。

実は、オレオの体調が良くない日は、寝室ではなく居間で機能性マットレスを敷いて様子を見ながら寝たりします。普段、自分が結構過敏なため、寝る際に寝室は解放していません。これは、自分の健康を確保するための必要な状況と割り切っていますが、オレオの体調が心配のときには、これを使って一緒の空間で寝るようにしています。高機能マットレスだと体に負担がかからないのが利点。一緒の空間にいることで、オレオも安心しているし、朝早くに下痢をした際には直ぐに対処ができるので活用しています。

【マットレス】自分が使用しているのは西川のAIR。厚さ8cmだけど底着きを感じない良いマットレスです。ちゃんと眠れて、お世話もすぐできる。愛用の一品です↓

ただ、正直に書くと西川のAIRはそれなりのお値段です。「いきなりそこまでは……」という方もいると思うので、まず一枚試してみるならこのあたり、というものも挙げておきます。

【もうひとつの選択肢】タンスのゲン「Goo3D」。上の5つの条件を、ひととおり満たしている一枚です

厚み10cm・高反発(190N)・三つ折り・カバー洗濯OK。カバーはU字ファスナーで外しやすいので、猫の毛がついても、粗相が乗っても、そのまま洗えます。

猫のいる部屋に敷くものとして、ひとつ安心できる点も。エコテックス スタンダード100という、繊維に有害な物質が残っていないかを調べる国際的な検査を通っているそうです。その上でうちの子が寝転がることを考えると、気持ちが少し楽になります。

気をつけたいところも、先に2つ書いておきます。ひとつは重さが約6kgあること。ひょいと片手で、とはいきません(この点は、軽さで選ぶなら西川のほうが上です)。もうひとつは圧縮梱包なので、届いてから厚みが戻るまで1〜2日ほどかかること。寒い時期はもっとかかることもあるそうです。「今夜つらいから、今すぐ」には間に合いませんので、あらかじめ準備が必要かも。↓

家族で交代する、動物病院やプロに頼る、便利な道具に頼る——頼ることは、手抜きではありません。あなた自身が倒れてしまわないように、まわりの力を遠慮なく借りてください。あなたが笑っていられることが、その子にとってのいちばんの安心です。

オレオくん
オレオくん

体調が悪い時はオレオも不安にゃ。近くにいてくれると何故か安心して眠れるのにゃ。それだけでも体調が回復したような気がするにゃ。

よくある質問

夜鳴きについて、飼い主さんから聞かれることの多い疑問をまとめました。

Q. 鳴いたら行ってあげるべき? 無視したほうがいい?

不安で鳴いているなら、応えてあげて大丈夫です。 「甘やかすと癖になる」という話は、若く元気な猫の要求鳴きの場合。高齢猫の不安からくる夜鳴きは、そもそも別のものです。放っておいても不安は増すばかりで、鳴き方は激しくなりがちです。

ひとつだけ、気にとめておきたいことを。鳴くたびにごはんやおやつを出すのは、少し控えめにしたほうがよさそうです。「鳴けばもらえる」と覚えて、回数が増えてしまうことがあるからです。応えるのは声かけと、そっとなでることで。

Q. サプリメントは試したほうがいい? 害はないの?

ここは正直にお伝えします。猫の認知症サプリは、「効果が実証されている」と言いきれるほどの根拠が、まだないそうです。

世に出ている認知機能サプリの多くは、犬で確かめられた結果をもとに作られたものだそうです。猫での臨床試験が行われていない製品も、めずらしくありません。猫用の「認知症の療法食」にいたっては、そもそも存在しないのが現状です。

数少ない例外が、フィッシュオイル(DHA・EPA)+ビタミンB群+抗酸化物質+アルギニンを組み合わせた栄養を猫に約1年与えた研究です。32匹の猫を対象に、テストをする人には食事内容を伏せた形で行われ、4つの認知テストのうち3つで成績が良かったと報告されています。

ただし、この研究にも読んでおきたい前提があります。1グループ16匹と小規模であること、費用を出したのがペットフードメーカー自身であること、そして「認知テストの成績」を見たものであって、「夜鳴きが減った」を示したわけではないことです。

まとめると——試してみること自体は、悪いことではありません。ただ、「飲ませれば夜鳴きが止まる」という期待をかけてしまうと、うまくいかなかったときに、飼い主さんのほうがつらくなってしまいます。

効くとしても、静かでゆるやかな支えです。「これで治る」ではなく「少しだけ味方を増やしておく」——そのくらいの距離感で向き合うのが、ちょうどいいのだと思います。

Q. サプリで気をつけることは?

「害がないなら気軽に」と思われがちですが、ここだけは必ず知っておいてください。

  • ⚠️ 犬用のサプリを、猫に与えないでください — 犬用の認知機能サプリにはα-リポ酸(アルファリポ酸)という成分が入っていることがあり、これは猫にとって毒性があります。「同じ成分だから」「余っているから」は、絶対にやめてください
  • 魚油は酸化します — 酸化した油はかえって体の負担になります。開封後は冷暗所で保管し、期限内に使いきれる量を選んでください
  • 持病・投薬中の子はとくに要相談 — 腎臓や肝臓に不安がある子、薬を飲んでいる子では、相性を確かめる必要があります
  • 成分が多いほど良い、ではありません — いろいろな成分を詰め込んだ製品ほど、猫での検証はさらに薄くなります

サプリを検討するのであれば、始める前に主治医に相談することをおすすめします。「これを飲ませてみようと思うのですが」と現物を見せれば、その子の状態に合うかを見てもらえます。

そのうえで、正直なところを書きます。サプリを足すより、まず毎日のごはんを見直すほうが現実的です。口にする量がまるで違いますし、総合栄養食なら栄養のバランスもとれています。

【シニアフード】11歳以上の子に向けて作られた、毎日のごはん

夜鳴きが気になる年ごろは、たいてい体のほかの部分も、いろいろと変わってくる時期と重なります。11歳以上向けとして作られたフードは、その年代で起きやすい変化を見込んだ設計になっています。

切り替えるときは、1〜2週間かけて、少しずつ混ぜる割合を増やしていくのが安心です。シニアになるほど、急な変化でお腹をこわしやすくなります。400gという小さめの袋なので、口に合うかを試すところから始められます。

ただ、これを食べたら夜鳴きがおさまる、というものではありません。療法食を出されている子は、そちらが優先です。あくまで「年齢に合ったごはんに整えておく」という土台の話として、受け取っていただけたらと思います。

Q. 病院ではどんな薬が出るの?

まず、原因が別の病気だった場合は、その治療が中心になります。甲状腺の病気や痛みが原因なら、そちらが落ち着くだけで夜鳴きが減ることは珍しくありません。

認知症そのものに使われる薬もありますが、猫では「適応外使用」(本来は犬向けに承認された薬を、獣医師の判断で使うこと)が中心です。効いた例の報告はあるものの、猫でのきちんとした臨床試験はまだ乏しいのが実情です。

不安が強い子には、気持ちを落ち着ける薬が使われることもあります。「薬に頼るのはかわいそう」ではなく、その子の眠れない夜を減らしてあげる手段のひとつと考えてみてください。

Q. 夜鳴きは治りますか?

原因によります。別の病気が隠れていた場合は、治療で大きく改善することがあります。だから最初の受診が大事なのです。

認知症によるものだった場合は、正直に言えば「治す」より「減らす・やわらげる」が目標になります。がっかりさせてしまうかもしれませんが、環境を整えることで「毎晩1時間」が「週に何度か、20分」くらいに落ち着く——そういう変化は、じゅうぶん起こりえます。

Q. 何歳くらいから気にかけるべき?

目安は11歳ごろからです。ただ、認知症を早期に見つける検査があるわけではないので、「何歳になったから調べる」というより、年に1〜2回の健康診断を続けることのほうが現実的です。そこで甲状腺や腎臓の変化を拾えれば、夜鳴きが始まる前に手が打てます。

Q. 近所への声が心配です

集合住宅では切実な悩みですよね。窓を閉める、鳴きやすい時間帯だけ寝床を家の中側の部屋に移す、厚手のカーテンをかける——このあたりが現実的な対策です。

もし心配なら、先に一言伝えておくのも手です。「高齢の猫が認知症で、夜に鳴くことがあります。すみません」と伝えてあるだけで、受け取られ方はずいぶん変わります。

ただ、防音のために閉じ込めるのは、やらないであげてください。閉じこめられて孤立すると不安がさらに強まり、かえって鳴き声が大きく、長くなってしまうことがあります。近所への対策としても、かえって逆効果になりかねません。

まとめ — 鳴き声は「そばにいて」のサイン

夜鳴きは、その子が困っているサインであり、同時に長く生きてくれた証でもあります。

  • まずは動物病院へ。治せる不調が隠れていることがあります
  • 夜はほのかな明かりと、近い寝床。昼は光とリズム
  • 家具の配置は変えず、覚えている地図を守る
  • そして、あなた自身の眠りも守る

全部をやろうとしなくて大丈夫です。ひとつ試して、少し眠れる夜が増えたら、それでじゅうぶん前に進んでいます。

介護や晩年のお世話まで見すえた全体像は、猫の介護・晩年のお世話ガイドにまとめています。必要になったとき、そっと開いてみてください。

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※ 本記事は一般的な情報のまとめです。気になる症状があるときは、自己判断せず動物病院にご相談ください。

ブログ管理者:jyosui

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