こんにちは、jyosuiです!

ペットショップやホームセンターで、小さな鉢に入った細い緑の草を見かけたことはありませんか。「猫草」という名前で売られている、あれです。
うんちの記事を書いているときに、便秘対策のひとつとして猫草に触れました。でも書きながら、自分がよくわかっていないことに気づいたんです。
そもそも猫は、なぜ草を食べるんだろう。あれは何の草なんだろう。うちはあげていないけれど、あげたほうがいいんだろうか。
調べてみたら、いちばん意外だったのはここでした。猫が草を食べる理由は、実のところ、はっきりとはわかっていません。「毛玉を吐くため」という説明をよく見かけますが、それも確定した話ではありませんでした。
この記事でお話しするのは、次のことです。
- 「猫草」という名前の植物は存在しないということ
- なぜ食べるのか — いくつかの説があって、決着していないという話
- 食べない猫もまったく普通で、必須ではないということ
- あげるなら気をつけたいこと
- 🚨 いちばん危ないのは、代わりに観葉植物を置いてしまうこと
- うちが猫草をあげていない理由
お伝えしておくと、わたしは獣医師ではありません。それにうちのオレオには、猫草をあげたことがありません。だからこの記事では、育て方のコツや商品の選び方までは踏み込みません。飼い主として調べてわかったことと、わからなかったことを、そのまま並べています。
いま必要のない話でしたら、ここで閉じてしまって大丈夫です。うちの子が草を食べたがるな、と思ったときに戻ってきてもらえれば。

猫草ってなんなんにゃ?見たことないにゃ。
そもそも「猫草」という植物はありません

まず、ここでつまずいている人が多いと思います。わたしもそうでした。
「猫草」は、特定の植物の名前ではありません。猫が好んで食べる、やわらかいイネ科の若い葉をまとめてそう呼んでいるだけです。
売られているものの中身は、だいたいこのあたりです。
- エンバク(燕麦・オーツ麦) — いちばんよく使われます。葉がやわらかく、育てやすい
- 大麦 — エンバクに近い育ち方をします
- 小麦 — こちらもイネ科の若葉です
つまり、麦の芽です。パンやビールになるあの麦の、生えたてのやわらかい葉。特別な植物ではありません。
これを知っておくと、あとで出てくる「観葉植物で代用してはいけない」という話が、すっと入ってくると思います。猫が食べていいのは「イネ科のやわらかい若葉」であって、緑の草ならなんでもいいわけではないんです。
なぜ食べるのか — 実は、はっきりわかっていません

ここがこの記事でいちばん書きたかったところです。
猫草の説明を読むと、たいてい「毛玉を吐き出すために食べます」と書いてあります。わたしもずっとそう思っていました。
でも調べていくと、それは有力な説のひとつであって、証明された事実ではありませんでした。いくつかの説が並んでいて、どれが正解か決着していない、というのが今のところの状況です。
説① 毛玉を吐き出すため
いちばん有名な説です。細い葉が胃を刺激して、たまった毛を吐き出させる、という考え方です。
ただ、この説には引っかかるところがあります。草を食べた猫のうち、実際に吐く子は多数派ではないという調査があるんです。吐かずにそのまま消化している子のほうが多い。もし吐くために食べているなら、もっと高い割合で吐くはずですよね。
説② 食物繊維で、便通をうながすため
吐くのではなく、逆に下から出すほうを助けている、という見方です。飲みこんだ毛を便と一緒に押し出す働きが期待できます。
うんちの記事で猫草に触れたのも、この文脈でした。便秘ぎみのときの後押しのひとつ、という扱いです。
説③ 寄生虫を外に出すため(野生時代の名残)
野生の肉食動物にも、草を食べる行動が広く見られます。消化されない葉が腸を通ることで、寄生虫を体の外へ押し出す助けになっていた、という説です。
いまの家猫に寄生虫がいるとはかぎりませんが、本能として残っている行動なのかもしれない、という考え方ですね。
説④ 葉酸などの栄養をとるため
若い葉に含まれる葉酸を補っている、という説もあります。ただ猫は肉食動物で、必要な栄養はごはんからとれているはずなので、これだけで説明するのは難しそうです。
説⑤ 単に、食感が好き
身もふたもないのですが、これも真面目に挙げられている説です。しゃりしゃりした感触が好きで噛んでいるだけ、という見方。
猫がビニール袋を噛んだり、段ボールをかじったりするのと同じ種類の行動だとすれば、たしかに説明はつきます。

「わかっていない」と正直に書いてある記事が少なかったので、ここは丁寧に並べました。調べる限り、有力なのは「寄生虫排除説」のようですね。
食べない猫も、まったく普通です

ここは、はっきりお伝えしておきたいところです。
猫草は、猫にとって必須のものではありません。一生食べないまま、健康に暮らす猫はたくさんいます。興味を示さない子も、一口かじって二度と近寄らない子もいます。
「猫草をあげていないけど、大丈夫かな」と心配になって、この記事にたどり着いた方もいるかもしれません。あげていないこと自体は、問題ではありません。
毛玉が気になるなら、猫草より先にできることがあります。ブラッシングです。飲みこむ毛そのものを減らすほうが、確実で、体への負担もありません。
そもそも猫がなぜあれほど毛づくろいをするのか、という話はこちらにまとめています。
あげるなら、気をつけたいこと
そのうえで、食べたがる子にあげる場合の注意点です。
- 食べすぎに注意 — たくさん食べて何度も吐くと、かえって胃腸の負担になります。置きっぱなしにせず、量と回数を見てあげてください
- 鉢の土を口にしないように — 土や肥料を一緒に食べてしまう子がいます。土が見えないタイプや、水耕栽培のものが安心です
- 農薬のないものを — 猫が直接口にするので、無農薬・国産と書かれているものを選びたいところです
- 硬くなった葉は避ける — 育ちすぎて硬くなった葉は、口の中や消化管を傷つけることがあります
- 持病のある子は、先に相談を — とくに腎臓病や消化器の病気で治療中の場合は、自己判断で足さずに、かかりつけに一度聞いてください
それと、吐くこと自体は、当たり前ではありません。猫草を食べて吐いたのを見て「毛玉が出てよかった」と思いがちですが、頻繁に吐いているなら、それは草のせいではなく別の理由があるかもしれません。
🚨 いちばん危ないのは、代わりに観葉植物を置くこと

この記事で、いちばんお伝えしたいのがここです。
「うちの子が草を食べたがるみたい」と気づいたとき、手近な観葉植物で代用しようとするのは、とても危ないです。
とくにユリ科の植物は、猫にとって猛毒です。花粉が体についてそれをなめただけ、花を活けた水を飲んだだけでも、重い急性腎不全を起こすことが知られています。ユリ、テッポウユリ、カサブランカ、そしてチューリップやヒヤシンスも同じ仲間です。
ほかにも、家に置かれがちなもので危険なものがあります。
- ポトス、ディフェンバキア、モンステラ(サトイモ科)— 口の中の激しい痛み、よだれ、腫れ
- ドラセナ(幸福の木) — 嘔吐、食欲不振
- ポインセチア、アイビー、アロエ — 消化器の症状
猫草として売られているものは、猫が食べる前提で作られたイネ科の若葉です。見た目が緑で葉っぱだから、という理由で置き換えられるものではありません。
もし観葉植物をかじってしまったら、すぐに動物病院へ。「様子を見る」がいちばん危ない選択になる場面です。何をどのくらい食べたか、できれば現物か写真を持って行くと、診断が早くなります。

猫草と間違えて猫が食べてしまわないように、観葉植物の取り扱いに注意することもとても大事なことだね。
うちが、猫草をあげていない理由

最後に、うちの話をしておきます。
オレオには、猫草をあげたことがありません。
理由は簡単です。調べる限り「あげる必要性がない」と判断したからです。たとえば前述した通り、毛玉対策であれば「ブラッシングをこまめにする」ことで解消します。
食物繊維であれば「完全肉食動物」なので水分をしっかり摂取する仕組みを作ることのほうが大切と考えました。
寄生虫は「予防接種」や「完全室内飼育」というところである程度は防げます。
栄養であれば、現在のキャットフードがとても優秀なため、必要性を感じないです。
ただ、「食感が好き」は猫によるのでなんとも言えませんが。
調べたうえでの実感として、猫草は「あったら楽しめる子もいる」もので、「用意しないと足りない」ものではないと思っています。うちはこの先も、必要を感じたら考える、くらいの距離でいるつもりです。あくまで個人的な見解ですが。
どういうときなら、検討してもいいか
あげない選択でいい、と書いてきましたが、検討する価値がある場面もあります。
- 毛玉を吐くのが前より増えてきたとき
- 長毛で、毛づくろいの時間が長いとき
- すでにほかの草をかじりたがっているとき(危ない植物へ向かう前に、安全なものを用意する意味があります)
ただし、1つ目、2つ目についてはまず動物病院に相談してください。吐く回数が増えているのは、毛玉ではなく別の原因かもしれませんし、毛づくろいについても、同じ箇所を何回もしている場合は怪我や病気の可能性も考えられます。猫草でごまかしてしまうと、気づくのが遅れます。他の草をかじりたがっている場合でも、かじってしまうと良くない植物の場合は動物病院に連れていく必要はあるかもしれません。
まとめ

- 「猫草」という植物はなく、エンバクなどイネ科の若葉のこと
- 食べる理由ははっきりわかっていない。毛玉説は有力だが確定ではない
- 必須ではない。食べない猫もふつうにいる
- 毛玉が気になるなら、まずブラッシング
- 🚨 観葉植物で代用しない。ユリ科は猛毒
猫草をめぐる話でおもしろいのは、あんなに身近なのに、理由がわかっていないということだと思います。猫と暮らしていると、こういうことがときどきあります。

あげるかあげないか、正解はありません。うちの子が食べたそうにしているか、そこだけ見ていれば十分だと思います。

オレオはごはんのほうが食べたいにゃ!
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