こんにちは、jyosuiです!

今回は猫の肥満を触診と見た目の基準で判定する「BCS」について紐解いていきます。
人間で言う「メタボ」や「BMI」の判定みたいなものと言っても遠くはないみたいです。
この基準については、オレオを迎え入れるまでは全く知らない基準でした。
猫の飼養に携わったことがない限り、聞くことはほとんどない言葉だと思います。
この基準は、動物病院では獣医師がよく口にされる言葉だと思います。
動物病院で体重をはかってもらったあと、先生が愛猫の背中やおなかを、すーっと手のひらでなでていく——あの光景を見たことはありませんか。あれは、ただかわいがっているわけではなくて、「BCS(ビーシーエス)」という、体格を確かめるための大切な診察なんです。
体重計の数字だけでは、その子が痩せているのか、太っているのかは、じつは分かりません。この記事では、BCSとは何か、おうちでの見方、そして数字と組み合わせる使い方までを、順を追ってまとめます。おうちで「なでながら気づける」ようになると、体の変化にぐっと早く手が届くようになります。

アルファベット3つ並んでると「あー、難しいの来た…」と思ってしまいますが、これを知るとご家庭でも愛猫が今、どのの位置なのかの指針になるので、是非意識してみてください!!
BCSってなに? ―「体重」ではなく「体格」の物差し

BCSは、ボディ・コンディション・スコア(Body Condition Score)の略です。日本語では「体格スコア」などと呼ばれます。体を目で見て、手で触った感触から、その子が今、痩せぎみか・ちょうどいいか・太りぎみかを段階で表すものです。
なぜ体重計だけではいけないのでしょうか。それは、同じ4kgでも、その中身が子によって違うからです。骨格の大きい子の4kgと、小柄な子の4kgは、意味がまったく変わります。筋肉なのか脂肪なのか、それも数字には出てきません。
そこで、体重という「絶対値」ではなく、その子の体格に対して肉づきがどうかを見よう、というのがBCSの考え方です。人間でいうBMI(体格指数)に近い発想だと思っていただくと、イメージしやすいかもしれません。
これは動物病院で共通して使われている物差しです。獣医師さんの間で「この子はBCS4です」と言えば、体格の状態がひとことで伝わります。飼い主さんがこの見方を知っておくと、先生との会話がぐっと具体的になります。

動物病院で、「この子のBCSはどれぐらいなんですか?」と初診で訊くと、獣医師さんも(お、しっかり勉強されている飼い主さんだね)と思ってくれるかもにゃ♪
5段階と9段階 ― どちらも使われています

BCSには、大きく2つの表し方があります。動物病院によって、どちらを使うかは違います。
- 5段階(1〜5) — まんなかの「3」が理想。シンプルで、おうちでの目安に向いています
- 9段階(1〜9) — まんなかの「4〜5」が理想。より細かく段階を分けられます
数字の幅が違うだけで、見ているものは同じです。「聞いた数字が、ネットで見た表と合わない」と迷ったときは、何段階のうちの数字かを確かめれば大丈夫です。この記事では、おうちで使いやすい5段階を中心にご紹介します。

お家で基準が測れると、ダイエットしたほうがいいかなとか考えることができるね。実際には動物病院で相談して、獣医師さんのアドバイスをもらうほうがいいね。
おうちでのBCSの見方 ― 3つのポイント
BCSは、「さわる」「上から見る」「横から見る」の3つで確かめます。むずかしい道具はいりません。撫でるついでに、こんなふうに見てあげてください。
① 肋骨(ろっこつ)をさわる ― いちばん大事

いちばんの決め手が、ここです。脇腹を、手のひらで軽くなでてみてください。
- 力を入れないと分からない → 脂肪が多め(太りぎみ)
- うっすら脂肪ごしに、骨の位置が分かる → ちょうどいい
- 軽くなでただけで、一本一本を数えられる → 痩せぎみ
よく言われるたとえが、手の甲です。手の甲を反対の手でなでると、骨のふくらみがうっすら分かりますよね。あのくらいの触りごこちが、ちょうどいい肋骨の感触だといわれています。「グーの拳の指の付け根」くらいゴツゴツしていたら痩せぎみ、手のひらのようにふっくらして骨が分からなければ太りぎみ、という覚え方もあります。
② 上から見る ― くびれ(ウエスト)

その子が立っているとき、または座っているときに、真上から見おろしてみてください。肋骨の後ろ、腰のあたりにゆるやかなくびれがあるのが理想です。
- くびれがなく、寸胴〜洋なし型 → 太りぎみ
- ゆるやかにくびれている → ちょうどいい
- くびれがくっきり、腰骨が浮いて見える → 痩せぎみ
長毛の子は、毛でおおわれて見た目が分かりにくいことがあります。その場合は、①のさわる感触を優先してください。
③ 横から見る ― おなかのライン

横から見たとき、後ろ足のつけ根に向かって、おなかのラインがきゅっと上がっているのが理想です。この引き締まったラインを「タックアップ」と呼びます。
- おなかがたれ下がっている → 太りぎみ
- ゆるやかに上がっている → ちょうどいい
- おなかが大きくへこんでいる → 痩せぎみ
ひとつだけ注意です。猫のおなかには、「ルーズスキン(プライモーディアルポーチ)」という、ぶらんと揺れる皮膚のたるみがあります。走ると揺れるあの部分です。これは肥満ではなく、猫の正常な体のつくりなので、「太った」と勘違いしないであげてください。見分けは①の肋骨の感触が確実です。
BCSの早見表(5段階)

| BCS | 状態 | 肋骨 | くびれ/おなか |
|---|---|---|---|
| 1 | 痩せすぎ | 脂肪がなく、見ただけで分かる | くびれ激しい/おなか大きくへこむ |
| 2 | 痩せぎみ | 軽くさわると一本ずつ分かる | くびれくっきり |
| 3 | 理想 | うっすら脂肪ごしに触れる | ゆるやかなくびれ/ラインが上がる |
| 4 | 太りぎみ | 力を入れないと分かりにくい | くびれが乏しい |
| 5 | 太りすぎ | 厚い脂肪でさわれない | くびれなし/おなかがたれる |
数字を暗記する必要はありません。おうちで手に残しておきたいのは、たったひとつ。「肋骨が、さわってすぐ分かるようになったら痩せぎみ。さわっても分からなくなったら太りぎみ」——この感覚だけです。

文章で基準を言われても、実際触ってみないとわからないにゃ。愛猫を撫でるときに何気なく触ってみると何となく分かるかもにゃ
なぜ、シニア猫ほどBCSが大切なのか

BCSは何歳の子にも使えますが、シニア期にこそ、いちばん役に立ちます。理由が2つあります。
理由① 体重の数字だけでは、変化が見えにくいから
シニアになると、筋肉が減って、かわりに脂肪が増えることがあります。この場合、体重計の数字はほとんど動きません。でも中身は「筋肉→脂肪」に入れかわっていて、体は確実に衰えています。数字が同じでも、手で触るとBCSが変わっている——これは、手で触るからこそ気づける変化です。
理由② 「痩せてくる」ことが、病気のサインだから
シニア猫が痩せてくる背景には、腎臓の病気、甲状腺の病気、糖尿病などが隠れていることがあります。10歳以上では、これらは決してめずらしくないといわれています。BCSがゆっくり下がってきたら、それは「歳のせい」ではなく「体からのお知らせ」かもしれません。
体重減少とフードの選び方については、シニア猫が痩せてきたら — フードを変える前に、まず確かめたいことにくわしくまとめています。あわせて読んでみてください。
筋肉の落ち具合を見る「MCS」という見方も

もうひとつ、シニア猫で知っておきたいのがMCS(マッスル・コンディション・スコア=筋肉量スコア)です。BCSが脂肪をふくめた全体の肉づきを見るのに対して、MCSは筋肉そのものの落ち具合を見ます。
なぜ分けて見るのかというと、脂肪でぽっちゃりしていても、筋肉はやせ細っているという子がいるからです。とくに高齢の子では、これが起こりやすいといわれています。BCSだけ見ていると「太りぎみだから大丈夫」と見えてしまい、筋肉の衰えを見のがすことがあります。
おうちでの目安は、背骨・肩甲骨・骨盤まわりの筋肉です。ここを撫でたときに、骨のでっぱりがゴツゴツと目立ってきたら、筋肉が落ちてきているのかもしれません。むずかしければ、「痩せてきた気がします」と伝えるだけで十分です。あとは動物病院で診てもらえます。

MCS何ていうのもあるんだね。これも併用してシニア猫などは測ってあげると愛猫の健康の現在地がわかるかもしれないね。
BCSを、動物病院でこう活かす

おうちでBCSを見る習慣ができると、受診のときにとても伝わりやすくなります。
- 「最近、肋骨がさわりやすくなった気がします」 — この一言で、獣医師さんはBCSの物差しですぐ受け取ってくれます
- 体重の記録とセットで伝える — 「体重は変わっていないのに、痩せて感じる」は、筋肉が落ちているサインの手がかりになります
- 月に一度、同じ人が触って比べる — 感触は人によって違うので、いつも同じ人が確かめると変化に気づきやすいです
体重計の数字(客観的な変化)と、BCSの手触り(体格の変化)。この2つを両方持っていくのが、いちばん強いです。診察の会話が、ぐっと早く、正確になります。

こんなやり取りが診察室でできると、獣医師さんも飼い主さんもストレスなく会話が噛み合ってスムーズに治療方針の話に進みそうだね。
【ペット専用体重計】オレオも愛用の「ペットくん」。週1回の体重測定をオレオ自らこの体重計に乗るように「この白い板に乗るとおやつがもらえるにゃ」と学習して、ペットくんを持ってくると、地面に置くまで目の前で待っています。それぐらい好きな白い板のようです↓
よくある質問
Q. BCSは、どのくらいの頻度で見ればいいですか?
月に1回くらいが、ちょうどいいと思います。体重測定と同じタイミングにすると忘れません。毎日だと、かえって小さな変化に気づけません。「先月と比べてどうか」で見るのがコツです。
Q. 長毛の子で、見た目が分かりません
長毛の子は、見た目のくびれやおなかのラインが毛でおおわれてしまいます。その場合は、①の「肋骨をさわる」を最優先にしてください。毛の下の体そのものを、手のひらで感じ取るイメージです。お風呂上がりの、毛が濡れているときは体型が分かりやすいです。
Q. BCSが理想の「3」なら、安心していいですか?
ひとつの目安として、とても良い状態です。ただし、「3のまま、下がってきていないか」のほうが大事です。今が3でも、半年前が3.5だったなら、その子は痩せてきています。BCSは「今の点数」より「変化の向き」で見てあげてください。
Q. 太りぎみでした。急いでダイエットさせるべき?
自己流の急なダイエットは、やらないであげてください。とくに猫は、急に食事を減らすと「肝リピドーシス(脂肪肝)」という、命に関わる状態になることがあります。太りぎみに気づいたら、まず動物病院で「どのくらいのペースで、どう減らすか」を相談するのが安全です。
適正体重の考え方や、無理のないダイエット食の選び方については、猫の体重管理方法 — 適正体重・肥満の見分け方・ダイエット食の選び方(編集中)にまとめています。あわせて読んでみてください。
Q. 何歳から気にかければいいですか?
BCSは、若いうちから習慣にしておくのがおすすめです。若いころの「ちょうどいい感触」を手が覚えていると、シニアになってからの変化に、すぐ気づけます。とくに7歳を過ぎたら、体重測定とセットで見てあげられると安心です。
まとめ ― なでる手が、いちばんの健康チェック

- BCSは「体重」ではなく「体格」の物差し。人でいうBMIに近い考え方です
- 「さわる・上から見る・横から見る」の3つ。いちばん大事なのは肋骨の感触
- 肋骨がさわってすぐ分かる=痩せぎみ/さわっても分からない=太りぎみ
- シニアは「今の点数」より「変化の向き」。ゆっくり下がるのは体からのお知らせかも
- 体重の数字とBCSの手触り、両方を病院へ
体重計は、変化を「数字」で教えてくれます。BCSは、その変化を「手ざわり」で教えてくれます。どちらも大切ですが、毎日その子に触れている飼い主さんの手は、どんな道具よりも早く異変に気づけます。
今日、なでるとき。背中を、脇腹を、ほんの少しだけ意識してみてください。それだけで、その手は健康チェックになります。大げさな道具も、特別な時間もいりません。いつものスキンシップが、その子の毎日を守る力になります。
介護や晩年のお世話まで見すえた全体像は、猫の介護・晩年のお世話ガイドにまとめています。必要になったとき、そっと開いてみてください。
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※ 本記事は一般的な情報のまとめです。BCSの判定は目安であり、その子の状態によって適したものは変わります。気になる変化があるときは、自己判断せず動物病院にご相談ください。
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