こんにちは、jyosuiです!

「猫にマタタビ」——ことわざにもなっているくらい、マタタビは猫が大好きなものの代名詞ですよね。実際にあげてみると、うちのオレオも体をクネクネさせて、ゴロンゴロンと床に転がって、なんだかお酒に酔っぱらったみたいな顔になります。あの姿、見ているこっちまで笑顔になってしまいます。
でも、ふと心配になることはありませんか?「これって、あげすぎたら体に悪くないの?」「そもそも、なんでこんなに夢中になるの?」——じつはこの“なぜ”、長いあいだナゾだったのですが、2021年に日本の研究チームが science の力でその正体を解明して、世界中で話題になりました。
この記事では、世間で言われている「マタタビのイメージ」と、最新の研究でわかった本当の理由、そしていちばん気になる安全性と正しい与え方を、やさしくまとめました。「酔っているだけ」と思っていたあの行動の、ちょっと感動する真実までお届けします。
そもそも「マタタビ」って何?

マタタビは、日本や東アジアの山地に自生するつる性の植物です。夏になると梅に似た白い花を咲かせ、ドングリのような実をつけます。漢字では「木天蓼」と書き、昔から「疲れたとき、これを食べるとまた旅を続けられる(=また旅)」が名前の由来とも言われるほど、人にとっても身近な植物でした。
市販されているマタタビ製品には、いくつかの形があります。
- 粉末タイプ:実や枝を乾燥させて粉にしたもの。少量ずつ調整しやすく、いちばん扱いやすい
- 実(果実)タイプ:成分は強めだが、丸ごとは喉に詰まらせる心配があるので注意
- 枝・木タイプ:噛んで遊べるので歯みがき代わりにも。効きは穏やか
- スプレー・液体タイプ:爪とぎやおもちゃに吹きかけて誘導するのに便利
よく「マタタビ」と「キャットニップ(西洋マタタビ)」が混同されますが、この2つは別の植物です。成分も少しちがい、日本の猫にはマタタビ、海外ではキャットニップが定番。どちらも猫を夢中にさせますが、反応する成分が異なります。
「うちの子はどっちが合うの?」「成分や効く猫の割合はどうちがうの?」が気になる方は、2つを表でくらべたマタタビとキャットニップの違いは?効く成分・反応する猫の割合をやさしく比較もあわせてどうぞ。
ほんの少量で試してみて下さい!↓
エビの衣がフィット感抜群!?↓

オレオもマタタビで「ふんにゃふんにゃ」になったことあるにゃ。あれは最高にゃ。
世間でのイメージ — 「猫が酔っぱらう不思議な草」

私もずっとこんなイメージで「マタタビはあまり与えるものではない」と思っていました。きっと、マタタビと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、こんなイメージではないでしょうか。
- 体をクネクネさせ、床にゴロゴロ転がる
- 顔やアゴをスリスリこすりつける
- うっとりした表情でよだれを垂らす、ゴロゴロ喉を鳴らす
- まるでお酒に酔ったように、とろんとした目になる
この一連の反応は「マタタビ反応」と呼ばれ、江戸時代の文献にもすでに記録が残っているほど古くから知られていました。だからこそ「猫=マタタビで酔う生き物」というイメージが、ことわざになるほど定着したんですね。
反応が続く時間は、だいたい5〜30分ほど。そのあとはケロッと我に返り、しばらく(30分〜1時間ほど)は同じマタタビをあげても反応しなくなります。これは「飽きる」のではなく、一時的に反応のスイッチがオフになるためと考えられています。
ただ、長らく「なぜ猫はこんな行動をするのか」という肝心の理由は、ハッキリわかっていませんでした。「気持ちよくて酔っているんだろう」——世間の理解は、ずっとそこで止まっていたのです。

人間で言う「お酒」と似たような効果とばっかり思っていたけど、実は最近までなぜ猫が好む行動なのか、解明されていなかったんだね。
最新研究でわかった「本当の理由」は“蚊よけ”だった

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたい話です。2021年、岩手大学・京都大学・名古屋大学などの研究チームが、長年のナゾだったマタタビ反応の正体を解明し、その成果を国際的な科学誌『Science Advances』に発表しました。
わかったことは、大きく3つあります。
① 反応を起こす正体は「ネペタラクトール」という成分
研究チームはマタタビの葉の成分をひとつずつ調べ、「ネペタラクトール」という物質が、あの強いマタタビ反応を引き起こす主役であることを突き止めました。これまで原因と思われていた「マタタビラクトン」よりも、はるかに強く反応を起こす成分だったのです。
② スリスリ・ゴロゴロは、成分を体に塗りつける“実用的な行動”
「酔って気持ちよさそうに転がっている」と思われていたあの動き。じつはネペタラクトールを顔や体じゅうにこすりつけるための行動だったことがわかりました。そして、この成分には蚊を寄せつけない(忌避する)はたらきがあったのです。
実験では、ネペタラクトールを頭に塗った猫と、塗っていない猫に蚊を近づけたところ、塗った猫にとまる蚊の数が約半分に減ったそうです。つまりマタタビ反応は、蚊が運んでくる病気(フィラリアなどの感染症)から身を守るための、猫なりの“虫よけ術”だったというわけです。完全肉食で、植物には興味がないはずの猫が、なぜマタタビにだけ夢中になるのか——その理由がここでつながります。
③ なめる・噛むのは、虫よけ効果をさらに高めるため(2022年・続報)

翌2022年、同じ研究チームは続報を発表しました。猫がマタタビをなめたり噛んだりすると、葉から出るネペタラクトールなどの量が10倍以上に増えることがわかったのです。つまり猫は、ただこすりつけるだけでなく、噛んで成分をたっぷり出してから体に塗るという、とても理にかなった手順をふんでいたんですね。
さらにこの反応は、家の猫だけのものではありませんでした。動物園の協力で行われた実験では、ジャガー・ユキヒョウ・アムールヒョウ・マヌルネコといった大型のネコ科動物も、同じようにスリスリ・ゴロゴロ。マタタビ反応は、ネコ科に共通して受け継がれてきた本能だったのです。

そしてもうひとつ。反応している猫の脳内では、「μ(ミュー)オピオイドシステム」という“幸福感”に関わる回路が活性化していることもわかりました。人間がランナーズハイで気持ちよくなるのと似た仕組みです。つまり——「役に立つ(蚊よけ)」と「気持ちいい(多幸感)」が、ちゃんと両立していた。世間の「酔っているみたい」も、半分は正解だったんですね。

ネコ科の動物にとって、マタタビは「虫よけ」という本能的な知恵だったんだね。「幸福感」はその行動の動機づけなのかもしれないねー。
「うちの子は効かない」——それ、異常じゃありません

マタタビをあげても、まったく反応しない猫もいます。「うちの子、おかしいのかな?」と心配になるかもしれませんが、これはごく普通のことです。理由はいくつかあります。
- 子猫は反応しないことが多い:マタタビ反応が出るのは、一般に生後6ヶ月〜1歳ごろ以降。性成熟していない子猫はほとんど反応しません
- 遺伝的な個体差:反応する・しないには生まれつきの差があり、まったく反応しない猫も一定数います
- 性別や性格の傾向:オスのほうが強く出やすい、という観察もあります
反応しないからといって、健康に問題があるわけではありません。マタタビは「あげなければいけないもの」ではないので、効かない子は無理にあげなくて大丈夫です。

マタタビ入りのハンドクリームを使ってもうちのオレオは近寄っては来ないし、匂いを嗅がせてもそっけないから、猫によってはマタタビにあまり反応しないコもいるのかも。
いちばん気になる「安全性」——結論は“適量なら安全”

ここが飼い主さんのいちばん知りたいところですよね。結論から言うと、適切な量を守って使うぶんには、マタタビは安全です。「マタタビで中毒になる」「常用すると体に毒」といった科学的なデータは、現在のところ報告されていません。
ただし、これはあくまで「適量なら」の話。注意すべきポイントもきちんと押さえておきましょう。
⚠️ 与えすぎが招くリスク
マタタビの成分は、猫の中枢神経に作用します。少量なら心地よい刺激ですが、一度に大量に摂取すると、まれに呼吸が苦しくなったり、ぐったりしたりする可能性が指摘されています。「たくさんあげれば、たくさん喜ぶ」ものではありません。
また、興奮の出かたには個体差があり、テンションが上がりすぎて急に走り出したり、噛んだり引っかいたりと攻撃的になる子もいます。はじめてあげるときは、ごく少量から、ようすを見ながら試してください。
🚫 マタタビを与えないほうがいい猫
- 生後6ヶ月未満の子猫:体の器官が未発達で、刺激が強すぎてパニックになる恐れがあります
- 心臓など持病のある猫・シニア猫:興奮による身体への負担が大きくなります
- 妊娠中・授乳中の猫:強い興奮刺激は避けてあげましょう
持病がある子や高齢の子に使ってよいか迷うときは、かかりつけの動物病院に一度相談するのがいちばん安心です。
安全で効果的な「マタタビの与え方」

せっかくあげるなら、安全に、そして長く楽しんでもらいたいもの。次の3つのポイントを守れば、マタタビは猫との暮らしの心強い味方になります。
① 量は「ほんの少し」でいい
成猫の場合、一度に与える量は粉末で多くても0.5g程度(適量として耳かき1〜2杯ほど)が目安です。びっくりするほど少量でじゅうぶん効きます。実を丸ごと与えるのは、喉に詰まらせる危険があるのでやめましょう。粉末を少しふりかけるか、専用おもちゃに仕込むのが安心です。
② 頻度は「週1〜2回」まで
毎日あげていると、だんだん刺激に慣れて反応が薄くなっていきます。あげるのは多くても週に1〜2回までにとどめておくと、いつまでも“特別なごほうび”として喜んでくれます。
③ 「困ったとき」の便利アイテムとして使う

マタタビは、ただ喜ばせるだけでなく、こんな場面でとても役立ちます。
- 爪とぎを覚えさせたい:新しい爪とぎにスプレーして誘導する
- 新しいおもちゃやベッドに慣れさせたい:少量つけて「いいもの」と印象づける
- 運動不足やストレス解消に:けりぐるみに仕込んで、思いきり遊ばせる
- 食欲がないとき:ごはんにほんの少しふりかけて食いつきを助ける(※体調不良が続くときはまず受診を)
国産で安心なまたたび。たまに少量使って幸福猫ライフを♪↓
オレオもたまに使うと良い反応するおもちゃ。可愛い姿が見られるかも↓
マタタビ粉末がついてくる爪とぎ。木枠本体と詰め替え段ボール爪とぎがおすすめ↓
うちのオレオは、あまりおもちゃに反応せず、運動不足だなと感じた時は、おもちゃに本書少量のマタタビを掛けると、急にハンターの顔つきに。追いかけては床でゴロゴロし始めたり、忙しい動きをして、ひとしきり遊んだあとはぐっすり眠ってくれます。遊びの満足度がぐっと上がるので、わが家では“運動不足防止の切り札”として大事に使っています。
まとめ — 「酔う草」じゃなく「生きる知恵」だった
最後に、この記事のポイントを振り返ります。
- マタタビ反応の正体は「ネペタラクトール」という成分。スリスリ・ゴロゴロは“蚊よけ”の実用行動だと2021年に解明された
- なめる・噛むと虫よけ成分が10倍以上に増え、脳内では“幸福感”の回路も活性化。役に立って、しかも気持ちいい
- 適量(粉末0.5g・週1〜2回)を守れば安全。通常使用では安全性が高いが、過量は避ける
- 与えすぎはNG。子猫・持病・シニア・妊娠中の猫には控える
- 効かない子がいるのもまったく正常。無理にあげる必要はない

「猫が酔っぱらう不思議な草」だと思っていたマタタビが、じつは野生の時代からネコ科に受け継がれてきた“身を守る知恵”だったなんて、ちょっと驚きですよね。正しく付き合えば、マタタビは猫の毎日を豊かにしてくれる、やさしい味方です。今日もうちのオレオは、お気に入りのおもちゃを追いかけ遊んで、満足そうにお昼寝しています。
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マタタビと同じく、猫の“なぜ?”をもっと知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。猫の行動の奥にある本能の物語が見えてきますよ。
ブログ管理者:jyosui





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